Text Interviews » Yomiuri Article (2008)


This page hosts this article from Yomiuri for archiving purposes only.


1人で楽しみ見つける

梶浦 由記(かじうら・ゆき)さん 作曲家、音楽プロデューサー

撮影・青山謙太郎

75歳になる母は、1人でいても自分を楽しませることが上手な人です。

70歳を過ぎてから私の元に引っ越して来たので、生活になじめるか心配していました。けれど、ウオーキングを始めたり、アコースティックギターを カルチャーセンターで習い出したり。ある日突然、「ギター買ってきちゃった」と言って帰ってきた時は驚きました。母はもともと音楽が好きで、若いころは合 唱をしていました。私が音楽の仕事をしているのを見て、やりたくなったみたいです。なかなか上達しないけど、毎日楽しそうに練習しているので、5年ほど頑 張ったら親子でセッションするのが一つの目標ですね。

昔から控えめでおとなしい母でしたが、その内面に「芯の強さ」があるということが分かるようになったのは、私が大人になってからです。20年以上 前に父を亡くしてからも、他人に頼らず、愚痴や悪口を言うこともなく、自分を上手に楽しませていく。そういった心の持ちようや人間としての生き方は、生き ていく上でのお手本。母は、私にとって世界で一番尊敬できる人です。(聞き手・本田麻由美)

■■■

1965年、東京都出身。アニメ「機動戦士ガンダムSEED」のエンディングテーマなどを手がけたほか、9月20日に公開される北野武監督作品「アキレスと亀」の音楽を担当し、オリジナル・サウンドトラックが同10日に発売される。

(2008年8月27日  読売新聞)