Archive of the interview on gamez.itmedia.co.jp.
梶浦由記がプロデュースするFictionJunctionのライブ「FictionJunction/Yuki Kajiura LIVE vol.#6」が開催された。
梶浦由記のライブ活動スタート3年目突入を祝して開催されたツアー「Kajiura Produce 3rd Anniversary LIVE TOUR FictionJunction/Yuki Kajiura LIVE vol.#6」。6月13日にJCBホールで開催されたツアーファイナルの開演直前に、梶浦&歌姫たち(Wakana、Yuriko Kaida、Keiko、Kaoriの4人)にインタビューを行った(ツアーおよびライブの詳細レポートは『梶浦由記、過去最大規模のツアーが開幕!! 「FictionJunction/Yuki Kajiura LIVE vol.#6 at 横浜BLITZ」』を参照)。
「あ」って言う間も無いほどだった全国ツアー
―― ここまでのツアーを振り返って、思い出深いことなどはありますか?
Wakana 正直、すごく早い1カ月でした。無事に最終日を迎えられたことも嬉しいのですが、どの会場でもお客様とたくさん音楽を楽しめたことが何より嬉しかったです。またツアーをやりたくなりました!
Yuriko Kaida 最初、5カ所って聞いた時に結構あるなと思ったんですけど実際にはあっという間で、さらにもう5カ所追加でライブをやりたいくらいです(笑)。今日も頑張ります。
Keiko 5つの会場を周らせていただいて、どこの会場でも本当に温かく迎えてくださったお客様がすごく印象的でした。またツアーに行きたいなって思うツアーでした。
Kaori 今回は初めての場所や会場もありまして、各公演で違う曲をやったり今までと違う点が多々あり、すごく新鮮でとても面白い時間を過ごすことができました。またツアーをやりたいと思います。
梶浦 本当に早かったです。5カ所でのライブ開催は初めてだったのですが、「あ」って言う間もないくらいにあっという間でした。やっぱりツアーの醍醐味は積み重ねられることかなと思っています。1回で終わるライブのお祭り的楽しさもあるのですが、5回それぞれでトライ&エラーを行って経験値として積み重ねることができたというのは、一番大きな財産かなと。これを次に生かしたいと思っています。
歌姫たちそれぞれの喉ケア
―― 歌姫のみなさんのハーモニーがいつも素晴らしいと思うのですが、今回のツアーのようにハイペースでライブを開催されて、声の調子はどのように保っていらっしゃるのですか?
Wakana よく食べてよく寝ます(笑)。それは基本として、こだわって飲んでいるものがみんなあるんです。好きなお茶だったり喉を潤すカフェラテだったり。
Yuriko Kaida 同じなんですけど、私もよく寝ます。後、私たちの中で流行っている吸入器があって、歌った後にそれを吸入して「よし、次もいける!」って感じで気合を入れて歌う感じで保ってきました(笑)。
梶浦 女の子4人なので1つ流行りだすとみんなが持つようになって、楽屋に入るとみんなでスーハーやってますね……(笑)。
Keiko 私も同じくケアはそういう風にやっています。それからメンバーが個人的にも尊敬するボーカリストたちで、毎回毎回刺激を受けながらステージに立たせていただいているので、そういった刺激によっても高いモチベーションを維持できました。
Kaori レコーディングやライブを通じてそれぞれの役割が出てきたっていうところはやっぱり大きく、常に「ここはみんなが支えてくれるから大丈夫!」とか「あそこは私が引っ張ろう!」とか、曲によってのスタンスが明確になってきたことも大きいかなと思うんですよね。
―― みなさんがお考えのYuki Kajiura Liveの魅力とはどのようなものでしょうか?
Wakana やっぱり梶浦さんの音楽を生で聴けるということが! 4人の歌い手と梶浦さんとバンドのみなさんで作り上げる音楽を生で聴くっていうのはこの場でしか味わえないので、ぜひそこを楽しんでいただきたいです。
Yuriko Kaida いつも先に言われちゃって……。
Keiko 分かります!(笑)
Wakana すみませんです!
Yuriko Kaida 私もまさしく、Wakanaちゃんが言ってくれたことと同じように思っています。
Keiko 梶浦さんが作られる楽曲には様々な作品に提供されたものも多いので、それを生で聴けるということは、作品のファンの方にも楽しんでいただけるのではないかと思っています。
Kaori ライブではサントラからの楽曲などもあって、CDでは私たちが歌っていないものもこの4人のバージョンだとこんな風になるんだ、っていう感覚はやっぱりライブじゃないと味わえないと思います。家でCDとして聴くのもいいけど、肌で感じる空気感っていうのは会場じゃないと味わえないので、ぜひ遊びに来てください!
梶浦 バンドメンバーズも大好きな演奏を聴かせてくれるんですが、一番はやはり4人のボーカリストたちの共演でしょうか。ハーモニーといっても、私のライブではそれぞれみんなが主旋律を歌っているようなものだと思っていますので、影に隠れてる人が1人も居ない。大変な思いをさせている歌い手さんたちですけど、その四声が重なった時、自分でも背筋に寒気が走るような思いをすることがあるので、ぜひそんな感覚をライブ会場に足を運んで味わっていただけたらと思います。
ツアー中の各ゲストとの思い出
―― 今回のツアーでは各会場において様々なゲストアーティストが参加されましたが、ゲストとの舞台裏エピソードなどがあれば教えてください。
梶浦 皆さん本当に気さくな方なんですよ。真剣に音楽を愛していらっしゃる方々なので、ライブが本当に楽しい楽しいって。それから皆さんが「梶浦さん家(ち)のお客さんは温かいね」と言ってくださって、それが何より嬉しかったです。大阪でのライブに駆けつけてくださったフルートの赤木りえさんは「次はzodiacal signの踊りを絶対にやらせて!」って言い張っていらっしゃって(笑)。皆さんが楽しんで参加してくださったので、こちらも本当に嬉しかったです。
KalafinaとFictionJunctionそれぞれのスタンス
―― KeikoさんとWakanaさんに伺います。今回のツアーにはKalafinaとしても FictionJunctionとしても参加されて、今までにこれほど頻繁にスイッチが切り替わることは無かったのではないでしょうか。その切り替えにおいて苦労された点や、両方の活動に取り組んでプラスになった点などがあればお聞かせください。
Keiko KalafinaとFictionJunctionはまったく別物と考えています。でも、先に Kalafinaのライブがあったのは自分の中ではちょっとよかったかもって思います。翌日がFictionJunctionだと、MCとかライブの全てを梶浦さんに任せられるので(笑)。気持ちの面では自分たちでライブを作っていくKalafinaと、梶浦さんの音楽を奏でる FictionJunctionっていうのは全然違ったもので、逆に翌日がどうとかっていう気持ちは無かったです。完全に別物だと思ってやらせていただいたので、本当に楽しかったです。
Wakana ツアー中はFictionJunctionの前日にKalafinaのライブをやったなんて思えなくて、別の日にやっているような気持ちでした。「今日は今日!」という気持ちで1カ月やって来たので自分でも驚くほど順応したというか、切り替えは簡単ではなかったのかもしれないのですけれども、自分の中では別だったんだなっていうことを改めて再認識しました。
音楽としてはどちらもすごく楽しませていただけてますし、各会場で2回も歌えるっていうことは本当に嬉しいことでした。最初に聞いた時はびっくりしましたけど(笑)。本当ですかと事務所の方に何度も確認してしまいましたが、実際にこうやって最終日を迎えられてホッとしています。でも、この調子で行くとそのうち3daysになっちゃうんじゃないかとちょっと緊張しています(笑)。
作曲家であるための1回休み
―― 今後の予定やファンに向けてのメッセージをお願いします。
梶浦 この2年間、割といいペースでライブをやってきました。ここでほんのちょっと一休みして、自分に言い聞かせてるんですけど(笑)、作曲活動に専念しようと思います。次にライブをやる時は新しく作った曲でライブをやりたいなと。やっぱり作曲家でありたいので “作曲家である私のライブに、私が作った曲を聴きに来てください”というスタンスでライブをやりたいと強く思っています。そのための1回休みという感じでしょうか。2回休むつもりは無いので、次に向けてまたみなさんがライブに来たくなるような曲を蓄えておきます。
それからFictionJunctionでは初のツアー、ひと言で、本当に楽しかったです! ライブはいつもそうなんですが、私たちの音楽を聴きにこれだけたくさんのお客様が集ってくださったっていうことを毎回奇跡のように思っています。また今後も歌姫たちと一緒に音楽を奏で続けたいと思っていますので、よろしくお願いします。
―― ありがとうございました。
ライブ本編のセットリストは下記の通り。ゲストに海外でも活躍する笠原由里が参加し、迫力の歌声でライブを彩った。アンコールでは「ユメノツバサ」などこれまでの公演では披露されなかった楽曲も登場。多彩な梶浦ナンバーの魅力を存分に楽しむことができる一夜となった。