Text Interviews » Kalafina LIVE 2010 “Kagayaku Sora no Shijima ni wa” OH-news.net Interview


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【Kalafina】2010/12/10 飛躍の一年となった2010年を締めくくる、感動のワンマンライブ『Kalafina LIVE 2010 “輝く空の静寂には”』初日レポート!

稀代のコンポーザー・梶浦由記によるプロデュースの元、美しいコーラスワークと幻想的な世界観を紡ぎ出すヴォーカルユニット・Kalafina。
Wakana、Keiko、Hikaruの三人が奏でる壮大なサウンドスケープは、劇場版アニメ『空の境界』主題歌、アニメ『黒執事』シリーズなど、話題の作品に鮮やかな色を添え、アニメソング・シーンの中でもオンリー・ワンの魅力を放っている。
そんな彼女たちが12月10日、11日の二日間にわたって、東京・渋谷C.C.Lemonホールでワンマンライブ『Kalafina LIVE 2010 “輝く空の静寂には”』を開催した。
2ndアルバム『Red Moon』リリース、初の国内&海外ツアー敢行、冠番組スタートと、この1年で大きな飛躍を遂げた三人による、2010年最後のワンマンライブ。
今回は、10日に行われた公演の模様をお届けしよう。

初の東名阪ツアー、多くのイベント参加、冠ラジオ番組『Kalafina倶楽部』、『Kalafinaの私たち計画広場』のスタート、そして海外ツアーと幅広い活動を繰り広げた2010年のKalafina。
その集大成といえるワンマンライブということで、会場に駆けつけたファンも開演が待ちきれない様子だ。C.C.Lemonホール前の広場は、ライブタイトルにもある「静寂」とは程遠い「騒然」とした雰囲気に包まれていた。
そんな期待度満点のライブレポートをお送りしよう。

■世界を巡るような多彩な楽曲で始まったワンマンライブ

鮮やかな光が会場を包む中、まるでファンタジーRPGの世界から飛び出してきたような衣装で登場したKalafinaは、最新シングル『輝く空の静寂には』カップリング曲『adore』で華々しくライブをスタートさせた。
ドライブ感満点のアッパーなビートに乗せて、ヴァイオリンの流麗な旋律とギターの鋭いリフが競いあう。
そこにKalafinaの三人が紡ぎ出す、神聖な趣すら感じられるコーラスが共鳴する。

~貴方だけがthe one that I adore~
『adore(崇拝する)』というタイトルにふさわしい荘厳なステージングに、オーディエンスは一気に引きこまれていった。
引き続きインド音楽をモチーフにした『テトテトメトメ』では、インドの伝統的弦楽器シタールの響きに合わせて扇情的なダンスを披露し、『闇の唄』ではアラブ風な世界観をステージ上に再現。
どんな曲調でも、神秘的なコーラスワークで楽曲が次々とKalafina色に染められていく。
からくり細工の人形を思わせる無機質な振り付けと共に、彼女たちならではの異空間サウンドが一気にホールへ広がる。
その圧倒的な世界観に、観客も息を飲むしかなかった。
冒頭の3曲を歌い終えた三人は、満面の笑顔でファンに挨拶をする。
落ち着いた佇まいを見せるWakanaは何度も「こんばんは!」を連呼し、しっかり者のまとめ役という印象のKeikoも「今日は、今年最高のライブにします!」とこの日の抱負を高らかに宣言。
また、普段はおっとりしたキャラクターのHikaruは、
「みんなが、会場に足を運んでくれたことが嬉しくて、涙が出そう……」
といきなり感極まってしまった模様。
だが、会場の声援を受けた彼女は、
「でも泣かない! だって嬉しいんだもん!」
と笑顔を見せる。

およそ半年ぶりとなる国内ワンマンライブに、三人とも気合充分の様子だ。
そんな感動的な幕開けとなった『Kalafina LIVE 2010 “輝く空の静寂には”』。
引き続き三人は、『明日の景色』『lirica』『Lacrimosa』(アニメ『黒執事』ED)のバラード3曲で、序盤をしっとりと盛り上げるのだった。

■歴史がテーマ? のライブ中盤

Keiko「ブログのコメントとかで、今日は色々な所から駆けつけてきてくれてるって耳にしたので……聞きたい」
というKeikoの呼びかけで、オーディエンスたちにどこから来たのか尋ねるKalafina。
その結果、北は北海道から、南は沖縄まで。果ては、シンガポールから駆け付けたファンもいることが判明し、ステージ上の三人はもちろん、観客席からも驚きの声が上がる。
そして富山県出身のHikaruによる、「初めて渋谷に来てびっくりした事」トークで会場全体が癒されたところで、ライブは中盤戦に突入した。

まずは、Kalafinaの1stシングルにして、リミックスCDもリリースされるほどの高い評価を得た『oblivious』(劇場版アニメ『空の境界 第一章 俯瞰風景』主題歌)が中盤の幕開けを飾った。
エレクトロなシンセ音と四つ打ちのドラムによるダンサブルなトラック。そして神秘的なWakanaの歌声と深みあるKeikoのアルトによるコーラス、透明感溢れるHikaruのヴォーカル。
それらが融合した『oblivious』は、リリースからすでに約3年が経過しているが、何度聴いてもその鮮烈なイメージが色褪せることはない。
そんなKalafinaの歴史の1ページ目に燦然と輝くアンセムに続き、尺八とドラムのタム・ロールが力強く響く『星の謡』(ゲーム『信長の野望Online 新星の章』イメージソング)で、会場が高揚感に包まれる。
かと思えば、『春は黄金の夢の中』『storia』(NHK歴史教養番組『歴史秘話ヒストリア』OPカヴァー曲)で、雄大なサウンドを聴かせるKalafina。

世界、そして歴史をイメージした、物語性のあるセットリストでここまで進行したライブを締めくくったのは、2ndアルバムのタイトル・チューン『red moon』だ。
静かに、だが重厚なハーモニーで奏でられる壮大なサウンドが、まるで映画のエンドロールのように胸に響いてくる。
圧倒的なステージングで前半の山場を盛り上げた三人に、惜しみない拍手がいつまでも送られた。

■史上最強セットリストで攻めるKalafina!

こ こでKeikoから2011年1月よりスタートするアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』EDテーマと、NHK『歴史秘話ヒストリア』の新EDテーマを1月3 日放送分より担当することが発表され、結成4年目となる2011年を素晴らしいスタートダッシュで迎える事が明かされた。
そして『魔法少女まどか☆マギカ』EDテーマ『Magia』を、大歓声の中で初披露するKalafina。
呪術的な香りの漂うドラムのフレーズが印象的な『Magia』は、これまでの彼女たちの楽曲にはない力強さを感じる。そんなミディアム・ナンバーに、オーディエンスも抗う術もなく飲み込まれていった。
Wakana「ここから後半戦! ついてきてね!」
力強い煽りに応え、一斉に立ち上がる観客たち。
ここからアッパーなキラー・チューンが、怒涛の勢いで押し寄せてくる。

盛大な手拍子で始まった『love come down』に続き、バンドアレンジによって更にロックなテイストが強調された『fantasia』と、激アツ・ナンバーを続々と披露するKalafina。
そして『音楽』『また風が強くなった』で、会場のテンションは最高潮に達した。
激しい縦ノリのグルーヴに乗ってステージを駆け抜け、拳を上げて観客を煽る三人。それに合わせて、観客も飛び跳ねながら両手を頭上に掲げて激しくクラップ。この盛り上がりに当てられて、バンドの演奏もより激しさを増していく。
あらゆる音が渾然一体となって、情熱的なステージが構築されていく。
前半のドラマティックなステージングとは対照的だが、そんなアグレッシブなノリの中でも、決して崩れないKalafinaのコーラスワークには感嘆するばかり。

最終的に『Magia』から『Kyrie』『progressive』まで、攻撃的ナンバー7曲をほぼノンストップで歌い続けたKalafina。
Keiko「7曲といっても、そんじょそこらの7曲じゃありません。Kalafina史上最強ビートナンバーの7曲だと思います」
と息を切らしながらも、充実した表情の三人に観客席からも惜しみない賞賛の声が上がった。
残すところ、あと一曲。ということで、三人はこの一年を振り返るようなMCでファンへの感謝の気持ちを表した。
Wakana「来年はもっと皆さんとお会いして、もっと皆さんと自分たちが笑顔になれるようなライブを作っていけたらなと思います」
Hikaru「たくさんライブをする事ができた3年目のKalafinaでした。来年はもっとたくさんの人たちに会うためにライブをしに行きます。約束します!」
Keiko「今年はライブをたくさんやることで、三人の絆がどんどん強くなっていった1年でした。そして、こうやってファンの皆さんに会えるのが一番幸せな時間なので、来年もその時間を持てるようにしていきたいと思います」

希望に満ちた未来を見据える三人は、このコメントを受けて『I have a dream』(劇場版アニメ『イヴの時間』主題歌)を情感たっぷりに熱唱。
~僕達は歩いてく 変わらない日々のため 小さな夢を抱きしめている~
音楽を多くの人たちに届けたい。
そんなささやかな思いと共に歌い続けるKalafinaらしい、感動的なラスト・シーンであった。

■なぜかKeikoが爆笑! のアンコール

終わらない歓声と拍手に呼ばれるように、再びKalafinaの三人がステージに姿を現した。
シングル『輝く空の静寂には』(アニメ『黒執事II』劇中歌)のジャケットで披露した衣装に身を包んだ三人は、ライブタイトルにもなっている同曲を披露。
彼女達のハーモニーが、ストリングスを大きくフィーチャーした楽曲と共に、繊細に響き渡った。
と、ここで予想外のハプニングが発生。
最後のMCで、今回のライブ用のグッズを紹介していたHikaruの髪に結ばれていたエクステンションが、Keikoの目の前でいきなり外れてしまったのだ。
文字にすると、大した事ではなさそうに見えるかも知れないが、
「髪の毛が取れちゃいました」
というのんびりしたHikaruのコメントとの合わせ技で、Keikoは笑いのツボにはまってしまった模様。
思わずWakanaも
「Keiko、死ぬなー!」
と心配してしまうほど笑い転げるという、なかなかお目にかかれない姿を見せたKeikoであった。
そんな急転直下のライブのクライマックスを飾ったのは、東欧の民族音楽風のサウンドが切なさと懐かしさを感じさせる『光の旋律』(アニメ『ソ・ラ・ ノ・ヲ・ト』OP)。そしてアップテンポなポップ・ナンバー『sprinter』(劇場版アニメ『空の境界 第五章 矛盾螺旋』主題歌)だ。
世界の音楽を巡るようなライブ前半と、バンド・サウンドを前面に押し出した、ライブ感溢れる後半を象徴するような2曲で『Kalafina LIVE 2010 “輝く空の静寂には”』初日は大団円を迎えた。
全22曲を歌い終えた三人に、観客席からはいつまでも拍手が鳴り続ける。
それを受ける彼女達は、三人揃って何度も観客に向かって頭を下げ、感謝の気持ちをあらわにした。
この声援を受けたKalafinaは、翌日の公演、そして17日の台湾公演を成功させ、2011年も今まで以上の感動を与えてくれることだろう。
そんな確信をオーディエンスに与える、充実のライブであった。

(文中敬称略)
(photo=藤田恵一)(有田シュン、OH編集部)