canta-per-me.net

where we worship Yuki Kajiura

Skip to Navigation

Text Interviews » OH-news Magia Interview


This page hosts the interview from OH-news for archiving purposes only.


[ビデオメッセージも到着!]【Kalafina】ニューシングル『Magia』リリース記念インタビュー! 力強く妖しげな楽曲に込められたリアルなメッセージとは?

2月17日 21:15

劇場版『空の境界』シリーズの主題歌をはじめ、幻想的なサウンドと美しいコーラスワークで多くの作品に彩りを添えるヴォーカルユニット・Kalafina。
その人気は日本国内のみにとどまらず、海外にも及び、これまでにボストン、台湾、香港、上海にてライブを成功させている。
そんな彼女たちが、2月16日、待望のニューシングル『Magia』(マギア)をリリースした。

TBS・MBS系列で放送中のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』EDテーマでもある『Magia』は、力強さと妖しさが混在するミステリアスな一曲となっている。
今回はKalafinaの三人に新曲についての思いや、3月よりスタートするライブツアーへの熱意を語ってもらった。

Kalafinaの3人。写真左からHikaru、Keiko、Wakana

アニメ、ゲームなどに多数の楽曲を提供するコンポーザー・梶浦由記による幻想的なサウンドと、Wakana、Keiko、Hikaruの三人の歌姫が紡ぎ上げる美しいコーラスワークが魅力のヴォーカルユニット・Kalafina。

日本のみならず海外でもライブを行い、ワールドワイドな人気を集める彼女たちが、2月16日に待望のニューシングル『Magia』(マギア)をリリースし、発売初日のオリコンデイリーランキングにて7位にランクインした。
現在、TBS・MBS系列で放送中のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のEDテーマにもなっている同曲は、力強く熱いサウンドが聴く者のハートを揺さぶるエモーショナルな一曲になっている。
今回はKalafinaの三人に、新曲についてのエピソードや彼女たちが楽曲に込めた思い、そしてニューシングルのリリースを受けてスタートするツアー 「Kalafina LIVE Spring TOUR 2011 “Magia”」にかける熱意を大いに語ってもらった。

■力強いサウンドとリアルな歌詞が魅力の『Magia』

──2月16日に、待望のニューシングル『Magia』がリリースされますが、どんな楽曲になっているのでしょうか。

Wakana「『Magia』は、力強く幻想的なメロディと現実的な歌詞のギャップが、楽曲のテーマを浮き彫り にさせているかっこいい曲だと感じながらレコーディングしたのですが、その後に改めてライブや練習などで三人で歌っていると、どんどん印象が変わっていく んです。『Magia』にはラテン語で「魔法」や「魔術」という意味があるのですが、歌っている中でどんどん表情を変えていくこの曲が、本当に魔法のよう で不思議な曲だと思います。歌詞についても、ここまで力強くリアリティにあふれた歌詞は、Kalafinaの曲にはなかったので、それも含めてぜひ生で聴 いていただきたい一曲です」

Keiko「す ごく妖しげなメロディで、謎めいた不思議な曲だなという第一印象で、とてもインパクトが強い曲です。今回はそんな『Magia』という曲の中で、人の強 さ、思いの強さというものを三人の声で表現することができたかなと思っています。魔法を夢見たり信じる気持ちって、大人になっていくにつれて消えていくも のだと思うのですが、自分が何かを望んで一歩踏み出していこうという意志って大事だと思うんです。だけどなかなかその一歩を踏み出せない、そういう「人の 葛藤」をリアルに歌っている曲になっています。
内容についてはすごく前向きになれるいい曲ですので、誰かがこの曲を聴いて一歩踏み出してくれたらいいなって思います。サウンド的にはものすごく妖しい音 を奏でている弦、サビに向かう私たちの気持ちを高揚させてくれるギター、そしてリズムの強さが感じられるドラムと、コーラスワーク以外にも新しい Kalafinaの魅力が出せた一曲になっていると思います」

Hikaru「今回はリアルな歌詞を表現するために、どういう歌い方をしたらいいかということをすごく考えまし た。そこで、『Magia』は非常にアップテンポな曲なんですが、言葉を一つ一つ置いていくことによって歌詞を皆さんに伝えていくという方法をとらせてい ただきました。今回は歌詞がリアルな分、自分の考えていることや体験などを思い浮かべながら自由に伸び伸びと歌うことができたので、レコーディングでは苦 戦した点などは実はあまりないのですが、その分、二人には負担をかけてしまったというか……(苦笑)」

──そこはチームワークで乗り越えた感じでしょうか。

Hikaru「はい。チームワークを発揮して、かっこいい曲に仕上がりました。
その他、自分の中で「確かに」って思えた歌詞が、Keikoがソロ・パートで歌っている
~不思議の国の本が好きだった頃 願いはきっと叶うと 教えるお伽話を 信じた~
という部分で、今の自分がお伽話を純粋に信じられるか、というとそうではない部分も正直なところあるんです。でも、例えば歌手になりたいとか、あれをやり たい、これをやりたいという願望は常に持っていてもいいものなんですよね。それに、そういう気持ちを持っていないと前に進めない時もある。そういうリアル なメッセージを歌の中にもちょっとずつ入れて歌いました」

──なるほど、「リアリティ」や「幼い頃の夢と現実のギャップ」などが描かれた歌詞なのですね。そういう部分は、EDテーマとして使用され ているアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の物語にも通じる部分があるように感じます。魔法少女に憧れてはみたものの、実際はかなり大変な世界だったとい う……。

Wakana「やっぱり誰でも「こうだったらいいのに」と願うことがあるのですが、それが現実には起こりえないということも知っていて、迷ったり葛藤したりする時があると思います。でも、その「願い」の力というものはどんなのものにも負けないとも思います。
そして、そういうものを常に持ち続けることが人間にとっては大事なことで、「その願いこそが魔法なんだよ」ということを『Magia』では歌っています。 『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物たちも厳しい現実に直面したり、魔法を使えるようになったとしてもたくさん苦労をすると思うので、その部分では 『Magia』とリンクさせて観ていただければと思います」

──ちなみにアニメはもう観られましたか?

Keiko「はい。魔法少女になる代償という部分は、現実世界でも夢を追いかけるとその分苦労という代償を背負わないといけない部分とリンクして、そこはとてもリアルだと思います。でも、だからこそ夢を追い求めて壁を乗り越えていってほしいな、まどかちゃん。って思います(笑)」

Hikaru「お話が深いんですよね」

Wakana「魔法が使えたらいいな、ってちょっぴり甘い考えを持ちながらもがんばって生きるという部分が人間の良いところだと思いますので、そういう強い力を歌で感じてほしいです」

──ちなみに、3種類出るCDのうち、『アニメ盤』には『magic mix』という『Magia』のリミックス曲が収録されていますが、どんな感じのアレンジになっているのでしょうか?

Hikaru「よりダークで深い感じになっています。オリジナル・バージョンよりも音数が少なくシンプルになっているので、ちょっと違う『Magia』の一面が見えてくると思います」

Keiko「オリジナルと聴き比べて欲しいですね」

──そして、初回生産限定盤には『Magia』のビデオクリップも収録されますね。

Wakana「今回のビデオクリップは、静止している世界の中で感じられる三人の熱さや力強さを表現しているので、観ているだけでどっと疲れちゃうんです(笑)」

Hikaru「エネルギーを吸い取られるような?」

Wakana「そう。すごく印象的なのが鏡越しに三人が映っているシーンです。少しずつ三人が前に出てくるうちに、いつの間にか鏡から実体が出てくるんです。鏡の中の虚像と現実が同時に動いているという、その対比のシーンが私の中でお気に入りです」

Keiko「今までこんなにクールなイメージのKalafinaってなかったように思います。強い意志を眼力で 表現するというのは、『progressive』でも挑戦していたのですが、その時は衣装が白ということもあり、ダークさはなかったんです。でも 『Magia』では人間の内なるものをPVで表現したいと思って、基本的にクールに、ダークに表現しています。その中でも三人がそれぞれ違う表現をしてい る点に注目してもらいたいですね。
全員凛とした表情をしているのですが、Wakanaはちょっと艶っぽい女性らしい強さを表現している感じ。Hikaruはメインで歌っているというのも あって、力強さを前面に押し出したような感じ。彼女が動の部分を表現しているのに対し、私は動きもシンプルで静かな強さをイメージした表現になりました。 あとは背筋がピッとなって、思わず仁王立ちになってしまいそうなすごく凝った衣装ですね。ヘアスタイルも普段のKalafinaのライブではできないよう なものに挑戦しているので、そういう部分もじっくり観ていただきたいです」

Hikaru「今 回自分の歌うパートが全体的にパワフルだったので、プロデューサーの梶浦由記さんからも「今回はかっこいい感じでお願いします」と言われたんです。ですの で、とにかくかっこよく撮ってもらわなきゃと思って、クールで強い感じでがんばりました。撮影前に楽曲のイメージを梶浦さんに聞いたところ、 『Magia』のパワーの大半は私の主旋律が占めているから、映像でもパワーを表現してほしいと言われたので、今回は凛々しい感じが出るように頑張りまし た。Wakanaも言っていましたが、今回のビデオクリップはパワーを吸い取っちゃいます(笑)。だから観てくださる方も全力で私たちを受け止めてほしい ですね」

──ジャケットの表情も凛々しいですよね。

Wakana「今回のジャケット写真は今までにはないKalafinaの「強さ」を表現しています。初回生産限 定盤ではKeikoとHikaruがカメラの方を力強く見ているんですが、私は違う方向を見ている。KeikoとHikaruは、前に進まなければいけな いという意志を目で表現しているんです。その一方で私はちょっと空を向いていて、現実だけではなく魔法も見ていたいという気持ちを表現しています。そうい う現実的なテーマを表現しているのに、衣装はすごく幻想的というか非現実的。このギャップがすごく面白いと思います。この写真一枚だけですごくワクワクさ せられますよね」

■温かなバラード『snow falling』、そしてツアーで三人が表現したいものとは……?

──初回限定生産盤と通常盤のカップリングには、劇場版『空の境界 終章』の主題歌『snow falling』のカヴァーバージョンが収録されています。『空の境界』シリーズのフィナーレを飾る曲ということで、皆さんも思い入れがあるのではないかと思うのですが。

Keiko「そうですね。徳島で行った野外ライブ(1月29日に開催されたKalafina TOKUSHIMA LIVE in マチ★アソビ)のリハーサル時に、『seventh heaven』(劇場版『空の境界 第七章 殺人考察(後)』主題歌)からの流れで『snow falling』が歌えたらいいよねって話していて、結果的にそういう流れで初披露させていただきました。
やっぱり『seventh heaven』を歌い終わった後は、時が止まったような式と幹也(※)の温かい時間を想像して『snow falling』を歌いたいと思っていたんです。ちょうど『seventh heaven』を歌い終わる頃に一瞬雪がちらついていたようで、自然の力を借りて印象的な初お披露目ができました」

(※)式と幹也
『空の境界』の主人公・両義式と、彼女をサポートする青年・黒桐幹也のこと。

Wakana「『seventh heaven』からの流れで『snow falling』が歌えるというのは、すごく素敵な流れでした。この曲は白い息が舞う中で歌うというのがすごくしっくりきたんですよ。『snow falling』は冷たくもあり、温かい曲だなと改めて感じました。すごくいい思い出になった初の冬の野外ライブでした」

Hikaru「野外ライブの時は初披露だったので、本当にドキドキしながら歌ったという印象があります。自分の中では、今までの『空の境界』の思い出が蘇ってくるようなイメージもある曲なので、そういう思いが伝えられたら嬉しいです」

──シングル『Magia』を受けて、ついにライブツアーが3月からスタートするわけですが、今回はHikaruさんの出身地である富山県がラインナップに入っていますね。

Hikaru「はい。まさか出身地の富山でライブができると思ってませんでした。もっと小さいところをちょっと ずつ回って、そのうちに行けるようになるのかなと思ってて……(笑)。五大都市もまだやっていないのに、いきなり富山県でやることになっちゃって、すごい なと思う一方でやっぱり気合が入りますね」

Wakana「ツアーの場所が増えるというだけでも嬉しいのに、メンバーの故郷に行くという経験が初めてなので本当に楽しみですね」

──今回のツアーを通してのテーマや、表現したいことはどんなことですか?

Wakana「今 回はシングルの『Magia』がツアーのタイトルにもなっているということで、魔法のような一夜になるようにがんばりたいです。やっぱり音楽で伝わるもの はたくさんあるし、海外に行った時も感じたのですが、言葉が通じなくても心で通じ合えたり、同じ場を共有することでつながれることはたくさんあったりする と思うので、楽しみにしていてください」

Keiko「今年初のツアーであり、Kalafina史上初となる春のツアーでもあります。ツアーを重ねるごと に会場が大きくなっていって嬉しい半面、プレッシャーもすごくあるのですが、三人で助け合ってモチベーションを維持しつつ駆け抜けたいと思います。 『Magia』のような、体でリズムを感じながら盛り上がるという曲が最近のKalafinaには増えてきたと思うので、それをホールでいかに見せるかと いうのを課題として挑戦していきたいと思います」

Hikaru「今までKalafinaのライブを観たことのない方には、Kalafinaってこういうライブを するんだとか、生で聴くとこうなんだっていう発見をたくさんしてもらえる場所にしたいですし、今まで何度も来てくださっている方にも、新しい発見をしてい ただけるライブにしたいです」

■2011年、Kalafinaが目指すものとは?

──『Magia』はこれまでにない力強いKalafinaサウンドということで、新境地を目指すKalafinaの2011年の目標はなんですか?

Keiko「攻 めの一年にしたいです。この攻める気持ちというか、前に進む気持ちを表現したのが『Magia』という曲だと思います。この曲で2011年をスタートし て、攻めて攻めて、いろんなところにKalafinaの音楽を届けて、全国ツアーができるようにがんばっていきたいと思います」

Wakana「全国ツアーが私たちの野望なので(笑)、ライブができるのであればどこへでも行きたいです。まず は去年よりも多くのライブをして、まだお会いしたことのないファンの方にも会って、ライブがものすごく多かったね、って言える一年にしたいです。2010 年も2009年に比べるとすごくライブが多かったんですよ。でも一年が終わってみると欲が出てきて、もっともっとやりたかったと思うくらいでした。ですの で、今回のツアーはすごく楽しみです」

(ここでKeikoが無言でガッツポーズ。一同笑)

Hikaru「いろんなところでライブをできたらいいなと思いますし、色々なところでライブができるように徐々 に活動の場を広げていきたいと思います。そのために、まずはもっとトークスキルを上げたいですね。ラジオなどで、もっとちゃんとしゃべれるようになるのが 個人的な目標です(笑)」

──先日発表されたばかりのもうひとつの新曲『symphonia』(NHK『歴史秘話ヒストリア』ED)についても少しお伺いしたいのですが、こちらも静かでありながら力強さも感じさせる曲になっていますね。

Keiko「『symphonia』は、明るい歌なのでアンコールとかで歌えたらいいね、という話を三人でして いています。どういう形で世に出ていくのか、どこに収録されるのか、ライブで披露できるのか、というのはまだ言えないのですが、近いうちに何らかの形で聴 いてもらえるのではないかと思います」

Wakana「この曲は三声でしっかりハモっているので、1曲聴いただけでお腹いっぱいになるような曲なんですが、最後に向かっていくにつれて静かになっていく。その展開がまるで本を閉じていくような感じで、私はすごく好きなんです」

Keiko「早く生で歌いたいですね」

──フルサイズで聴ける日を楽しみに待っています! それでは最後にファンの皆さんにコメントをお願いします。

Wakana「2月16日にリリースされるKalafinaの新曲『Magia』は、妖しげで力強い音楽の中 で、リアリティに溢れる歌詞を歌っている部分をぜひ聴いていただきたいです。同時にEDテーマとして流れているアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』も 『Magia』とリンクした面白いストーリーになっているので、合わせて楽しんでいただけると思います。
カップリングに入っている『snow falling』は『Magia』とは対照的な、ピアノと声だけで始まるシンプルな曲なんですが、私たち一人ひとりの声がしっかりと聴き取れる曲になって いるので、そちらもお楽しみください。春にはツアーも控えているので、皆さんに色々なKalafinaの一面を見せられるようにがんばります」

Keiko「今年は『Magia』というスタートにはもってこいの曲で、前に進んでいこうという強い意志を感じ てもらえたらと思います。この曲で、皆さんも2011年がいいスタートを切られるように願っております。それをタイトルに掲げたツアーでは、皆さんとの大 切な時間を、本当に音を楽しむという意味で素敵な一日にしたいと思いますので、まだライブに来たことのない方も、ぜひKalafinaの音楽を楽しみに足 を運んでいただけたら嬉しく思います」

Hikaru「『Magia』では新しい試みに挑んで、新しいKalafinaを出すことができました。 『snow falling』も今までにない雰囲気のバラードで、ほっこりできるいい曲になりましたので、2曲合わせて楽しんでいただけたらと思います。その 『Magia』を引っさげてのツアーも行います。今回は私の出身地である富山でもライブをやります。他にも大阪、名古屋、東京と、盛りだくさんでお送りし ますので、Kalafinaと少しでも一緒に過ごしたいという方がいらっしゃったら、ぜひ足を運んでいただきたいと思います」

──ありがとうございました!

(文中敬称略)(有田シュン、OH編集部)

  • Comments Off on OH-news Magia Interview