Archive of the interview on anican.jp
デビュー20周年を迎える梶浦由記が『Kaji Fes.2013』を開催!!
2013.5.11 @東京国際フォーラム ホールA
See-Sawでメジャーデビューを果たし、FictionJunctionやKalafinaといった自身発のプロジェクトも成功に収め、また作詞・作 曲・編曲を手がけ音楽コンポーザーとして、数々の作品を生み出してきた梶浦由記が、今年で音楽活動20周年を迎え、同時に2008年からスタートした 『Yuki Kajiura LIVE』も、5月11日に開催された公演で10回目となった。
ふたつの意味で良い節目の年となった梶浦由記に、 『梶浦由記/FictionJunction 20th Anniversary Yuki Kajiura LIVE vol.#10 “Kaji Fes.2013”』本番直前に今までの音楽活動、また本ライブについて、抱いている想いを語ってもらった。
――今年デビュー20周年で『Yuki Kajiura LIVE』も10回目と良い節目になりましたが、お気持ちはいかがですか?
梶浦 淡々と活動していたらいつの間にか20年が経っていたという感じで。でも、ライブを初めてから「あ、あの頃ライブファーストやったな、セカンドやった」と 活動の歴史がすごくわかりやすくなってきたんですね。なので、音楽20周年よりも、10回目を迎えられたライブのほうがすごく実感が強くありまして。自分 のデビュー20周年と重なった10回目のライブに、これだけ豪華なゲスト陣を員呼ぶことができたっていうことが、今まで音楽活動を続けてきたことへの、一 番のご褒美になったなと思っています。
――たしかに、すごく豪華なゲスト陣ですよね。
梶浦 本当に奇跡に近いタイミングでの開催だったかなと思っています。
――そんなライブのセットリストですが、暗めの曲が多いと公表されて。
梶浦 違うんです、普通に選んでも暗い曲が多くて(笑)。むしろ、どっちかっていうと明るい曲をピックアップしているのですが、元々暗い曲ダークな世界観中心のラインナップなので、どうしてもそういう風になってしまうだけのことなんです。
――曲順を見ていると連続していますね。
梶浦 そうですね。今回のライブは二部構成なのですが、二部はもう不吉な予感だらけの二時間になりそうな感じでしたね(笑)。
――ちなみに、それを受けたファンの反響はいかがでしたか?
梶浦 私の曲って、不穏さを感じさせる曲が多いと、梶浦ファンを名乗ってくれる方はよくご存じなので、みんな笑っていたようです(笑)。「祭りじゃなくて、血祭りですね」とか、そんな「血祭りにすれば良かったですね、始めから」とかそういう感じな(笑)。
――血祭りですか(笑)。
梶浦 まぁ、実際は血祭りっていう積極的な獰猛さじゃなく、そこはかとなく薄ぼんやりと悪いことが起こりそうな曲が多いと思います(笑)。
――不穏な空気が漂いそうな感じもありつつ、一番の見所となりそうなパートは?
梶浦 See-Sawの曲を何曲かセルフカバーしようと思っていて、実はライブで披露するのは初めてなので、楽しみですね。やっぱり20年間の音楽活動を振り返 るということだと、See-Sawでデビューしている私にとって原点なので。また、それも豪華なゲストさんたちに歌っていただけるんですよね。久しぶりに See-Sawの楽曲を演奏するので、懐かしいなと思いながらリハーサルをしてました。
――今回のライブは、“次の10年”というスタートでもあると思うんですけど、次のステップへ向けての意気込みはありますか?
梶浦 次に向けていきますっていうことよりも、やめるタイミングがあった中、「20年とか10回目っていうことを言えるようなところまで続けてこられたんだ な」っていうことの喜びが大きいですね。何か派手なことをしようというわけではなく、音楽を愛するエネルギーが残ってる内は、あと5年でも10年でもひた すら続けていきたいなと思います。
――海外のファンもかなりいらっしゃるとお聞きしました。
梶浦 物理的にライブに行けるか、行けないかっていうことは置いておいて、今って私たちが思っている以上に音楽に関して国境の壁がなくなってると思うんですよ ね。インターネットの中では、日本、中国、アメリカ、ドイツ、どこであっても同じように楽曲を聴ける。そういった傾向からなのか、日本の方々は開けた場所 で音楽を楽しむ方がずいぶん増えたなっていうのを感じていて。
――閉鎖的な考えを持つ日本人ですら考え方も変化してきているので、海外で梶浦さんの楽曲を聴いている方も多くいるでしょうね。
梶浦 海外のファンから「日本で開催するライブに行く」って、ご連絡やコメントをいただくと実感しますね。ネットではすぐ越えられる距離が物理的なライブになる と十何時間か二十何時間か距離が生まれる、そこをわざわざ越えてきて下さるファンの皆さんがいらっしゃるというのは嬉しいですね。
2013/05/20 17:40:00 ライブレポート